桶谷式母乳育児Q&A(よくあるご質問と回答)For your help

お問い合わせの多いお悩みをご紹介します。
個人個人で違うことも多くあります。
困ったことや解決できないことはお近くの相談室で来室の上、おっぱいの状態、赤ちゃんの状態、授乳の状態をみてもらい、ご相談ください。

  • 自然分娩の場合と同じように母乳での育児が可能です。

    産後はできるだけ早く、赤ちゃんをお母さんのそばに連れてきてもらい、おっぱいをあげてみましょう。助産師にサポートしてもらいながら、赤ちゃんを抱いて、おっぱいを口に含ませてみます。初めは赤ちゃんがうまく吸いつけなくても心配いりません。なめるだけでもいいですから、何度も授乳をしてみましょう。産後は体調が回復したらできるだけ早い時期から母子同室にしてもらうといいでしょう。頻回に(3時間以内の間隔で)授乳をしていくと、次第に母乳の分泌も良くなっていきます。

  • 手がかりはオムツのぬれぐあいと赤ちゃんの飲み方です。

    まず、赤ちゃんが飲む量ですが、これは1回1回違うものです。ある研究調査によれば、体重換算で1回に200g以上飲むこともあれば、5gしか飲まないこともあり、特に生まれたばかりのころは、赤ちゃんもお母さんも授乳に慣れていませんから、このムラは目立つものです。ただし、11回に飲む量が違っても、1日に飲む総量はほぼ一定だということを覚えておいてください。

    目安としてわかりやすいのは、おしっこの量です。「おしっこの量=飲んだ母乳の量」ではありませんが、かなり近いものがあります。1日に布オムツなら6枚、紙オムツなら5枚以上オムツがしっかり濡れていて、色が薄く臭いも強くなければ、赤ちゃんは母乳を十分に飲んでいると言えます。

    赤ちゃんの様子も大事なチェックポイントです。機嫌や皮膚の色はどうか、手足をよく動かすか、泣き声は元気か、母乳を1日に8回以上は飲んでいるか、母乳を飲むときに時々のどを鳴らしているかなどをチェックしてみましょう。赤ちゃんが元気でおっぱいをゴクゴク飲んでいる音が聞こえていれば、十分な量の母乳が飲めていることが多いのです。心配であればお近くの母乳育児相談室へお越しください。

     

     

  • 赤ちゃんが泣く理由はいろいろです。おっぱい以外のことも考えてみましょう。

    生後1~2カ月の時期は、赤ちゃんがおっぱいを上手に飲めなかったり、お母さんの母乳の分泌も不安定なことがあります。泣くたびに何回でもおっぱいを含ませて、赤ちゃんは飲む練習をし、お母さんはその乳頭の刺激によって母乳の分泌を良くする土台作りが必要です。泣いたら抱っこして、まずはおっぱいをあげてみましょう。

    泣くとすぐに「母乳不足では?」と心配になり、ミルクを足しがちですが、これが逆に飲み過ぎて「お腹がいっぱい」と泣く原因になる場合もあります。

    赤ちゃんは泣くことで空腹以外にも色々なことを表現します。お腹がいっぱいだと寝ていると思われがちですが、案外そうでもありません。時には退屈したり、何となくもやもやしたり、甘えたくなったりすることもあるでしょう。まずは抱っこして、やさしいぬくもりで安心させてあげましょう。子守歌やトントンをしてあげると、落ち着くこともありますし、時には思いっきり泣かせて、エネルギーを発散させてあげるのも一つの方法でもあります。

    お母さんもだんだんに、空腹の泣きか、ほかの泣きか、その泣き声を聞き分けることができるようになってきます

     

  • 健診で体重増加を指摘されると心配だと思います。日本では一か月健診の体重増加が一日あたり30g、一か月あたり1㎏以上増えていないと「体重の増えがよくない」と判断されることがあります。WHO/ユニセフによれば、1週間に125g以上、1ヵ月で500g以上体重が増えると言われています。

    体重以外にお母さんが確認するとき、1日に布オムツなら6枚、紙オムツなら5枚以上オムツがしっかり濡れていて(オムツに30-60mlの水をかけてみるとおよその1回量がわかります)、色が薄く臭いも強くないことが、母乳をしっかり飲んでいる目安になります。生後6週間までなら個人差がありますが、目安としてうんちが一日1-5回出ていることも確認するといいでしょう。もし、これより少ない場合は、赤ちゃんの健康状態のチェックも必要ですので、母乳だけで育つ赤ちゃんの生理に十分な理解のある医師に相談してみましょう。大きく育ってほしいと思うのは親の願いですが、大切なのはスリムでもその子なりのぺスでしっかり成長しているかどうかです。他の子とくらべず、我が子の成長を見ていきましょう。

     

  • 「おっぱいはよく張るほうがよく出る」と思いやすいですが、実はそんなことはありません。乳房はおっぱいの倉庫ではなく作る工場です。いつも乳房が張っている状態だと「乳房にいっぱいたまっているので作る必要なし」と判断して生産量を減らします。授乳前に張っていなくても、赤ちゃんが「コクンコクン」と満足そうに飲んでいればおっぱいを作っているサインです。いつも出来立てのおっぱいを飲ませてあげましょう。

     

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  • Q3でもあるように、授乳中は、オキシトシンとプロラクチンというホルモンが分泌されます。この中でも、プロラクチンは夜間のほうがよく分泌されます。と同時にこのプロラクチンは、1日に8回以上の授乳を続けていたほうが次の授乳までに母乳の分泌の低下を防ぐ働きをします。そのため、桶谷式では、昼夜とも3時間開けずに授乳することをお勧めしています。とくに、夜間に飲ませることで、プロラクチン濃度が上昇し、母乳分泌が維持され乳房トラブルの予防にもつながります。

    夜間の授乳が、苦痛のこともあると思いますが、授乳中はむしろプロラクチンというホルモンの作用により、目覚めやすく寝つきが良くなるといわれていて、夜間の授乳にも適応するといわれています。そのため、夜間に授乳していても、体調が良く活発に活動することが出来るのです。しかし、トータルの睡眠不足は、母乳の分泌を低下させるとも言われているので、お子さんとお昼寝をして、睡眠不足を補ってください。